松川町のりんご農園”あっぷるハウス宮下”の業務日誌 ちょっと寄り道。
2022年4月8日「あんちゃ」
弟が僕を呼ぶときはいつも「あんちゃ」でした。
40年近く呼ばれ続けて、もう呼ばれることはなくなってしまいました。
2人兄弟だったのに、突然1人子になっちゃって。
心にぽっかり穴が空いてしまって必死に日常を取り戻そうとしているのですが
おしよせる悲しみと、はげしい動悸。
日常を過ごすことがこんなにむずかしいものなのかと
ただただ日々が過ぎ去ってくれるのをじっと待っています。
でもそんな感情なんて関係なく季節はゆっくり確実に進んでいて
ほら、今年もはじまるぞ と
りんごの木も冬の眠りから覚めて背中を押してくれている気がします。
時間をかけてゆっくりと
以前より太く強くしなやかに 立ち直りたい。
書くことを悩みましたが、これもあっぷるハウス宮下の出来事として記録として残したいと思いました。
今年のりんごが終ったときはどんな思いで立っていられるか。
がんばれ 少し未来の自分。
弟と過ごした40年に感謝。
きっと同じくらい過ごさなければいけない弟のいなくなった世界。
声と顔をだんだん忘れていく事への恐怖。
でもこれからも「あんちゃ」としてもう少しがんばるよ。
今の自分から少し未来の自分への期待です。
今日は弟の誕生日。
一緒に年を重ねることはできなくなってしまったけど
生まれてきてくれてありがとう。
「あんちゃ」にしてくれてありがとう。