松川町のりんご農園”あっぷるハウス宮下”の業務日誌
2024年2月20日「おっぱっぴ」
新年早々、さっそく不穏な気配が。
りんごはサンふじにはサンふじの花粉では受精しなくて、簡単にいうと違う種類のりんごの花粉でしか受精できないんです。
なので蜂さんにお願いしたり、人間が手や機械を使って花粉をつけるのですが
なんと今年はその花粉がない事態に。
それでその花粉を確保するためにどうすればいいのかの講習会にこの人!!
昨年までは蜂サンにおねがいしたり、それでも不安なので花粉を購入して撒いていたのですが
花粉もない蜂業者も数が足りないでどうなるのかすごく心配。
結果 出来る事を教えてもらいながらやろうということで春は一段と忙しくなりそうです。
毎年何か何か新しいことをやれているので前向きに頑張ろうと思います。
新しいことと言えば
西山に新しい畑できました。
まだ植えていないので収穫できるのは4年後くらいになりそうですが
それでも先を見てちょっとずつ。
最近の世の中の働き方改革ではないですが少しでも効率をよくしないと
農家もどんどん減少していく未来しかありません。
未来のあっぷるハウス宮下の為に今はがんばって種まき中。
どんな花が咲いてくれるのか楽しみなような不安なような。
無駄を省き効率をあげることに集中してきたこの数年。
そんなの関係ねぇとばかしにふりまわしてくれるのが
親になると言うことはけして効率よくなれるものではないと日々実感の毎日です。
効率は悪いけどそれでも1つ1つできるようになってその課程、体験、喜びをどれだけ共有するか。
子供の成長とともに親としても成長させてもらうものなんだと。
地道ですが近道もないし、戻ることもできない。
毎日を丁寧に。
そう思うと近年の高効率化はいい面ばかりではなくて
無駄、ムラ、非高率の中に日本人としての良さもあって、独特の間もあって、人に対して寛容なところもあった気がします。
今は何をやるにも理由が必要で、間違ったことをすれば叩かれ、他人よりも自分優先。
SNSでは私見て見てとばかりにキラキラした写真ばかり。
もう一度 無駄、非高率、遠回りしてみませんか?
幼い我が子にこんなことまで教えられながら そんなの関係ねぇと屁をこかれ苦笑い。
45歳初めての新米パパ、色々と勉強させてもらってます。
松川町のりんご農園”あっぷるハウス宮下”の業務日誌
2024年2月13日「 ヤジロベー 」
2月12日、類農園直売所彩都店様に来ていただいた皆様 ほんとうにありがとうございました。
寒い中並んでいただいたのに売り切れてしまって悲しい思いをさせてしまったお客様ほんとうにゴメンナサイ。
時期はずれということもあるのですがそれでも残っているりんごを全部荷造りして持って行ったのですがこちらの
力不足です。
開店から1時間で全てのりんごが売り切れてしまってあとは謝るばかり。
ほんとうは売り切れれば嬉しいはずなのに昨日は来ていただいた方に悲しい思いをさせてしまったことに苦しくなりました。
こんなことなら来ない方がよかったかな?とか帰りの車の中でずっと悶々と考えてました。
それでも次回また買ってやるよって思っていただけてるなら次回からはもっとたくさん覚悟を決めて持ってきます!
もう一度リベンジさせてください!
そう思わないと冬の剪定頑張れないです。
落ち込んで帰ると待っていてくれました。
こんな駄目親父でも帰ってきてくれて嬉しいって言っているようないないような・・・。
農家は楽しい?って聞かれれば苦しいことの方が多いし、転職してよかった?と聞かれればよかったとは言えないし
最初の頃はいつやめようばかり考えていました。
ほんとうはもっと自転車に乗りたいし、もっと山に登りたいし、もっと旅行に行きたいし、もっと同僚と仕事帰りに一杯したかったし
やりたいこと やってみたいことは沢山あるけど
でも農家になってこんなに皆さんに選んでいただけたり、美味しかったよって言葉もらえたり、食べたら涙が出たってメールもらえたり、すごくテンパっているときに
友人の顔見つけて応援してもらったり、大好きな人にジュースのラベル書いてもらったり、家を出発するときに行ってらっしゃいって見送ってもらったり
販売会行く度に会話できる人が増えたり、販売会帰るときに握手してもらったり、子供ができたと報告したときに泣いてくれたり、サプライズでプレゼントもらったり
いい歳なのにうれし泣きしちゃったり、警備員のおじさんにいつも応援してもらったり、もっともっとたくさんの感動を農家になってからいただけて
考えてみれば自分のやった仕事で泣けるぐらい感動させてもらえるってみんながみんな経験出来ることじゃないなと。
だから最近はいつやめようじゃなくていつまでやろうかなって考えてます。
毎日、毎日丁寧に。
毎日、毎日+1。
やりたいことではなくやれることを頑張る。
力まず慌てず1歩ずつ。
不器用な小さな農園ですが今後ともよろしくお願いします。
松川町のりんご農園”あっぷるハウス宮下”の業務日誌
2024年2月4日「 だよねー 」
早いものでもう2月。
遅くなりましたが昨年は大変御世話になりました。
本年もよろしくお願いします。
とにかく忙しさに振り回されていた年末が終りその反動のせいか放心状態が続いておりましたが
作業はちゃんとしておりますよ。
たくさんの人が来てくれてた時期とは違い、年が明ければ車も人も全く通らない山の奥で
毎朝火起こしからスタートです。
たき火にあたりながら
りんごの木を1本1本観察して黙々と枝を切る作業。
おいしいりんごを作る。昨年の答え合わせをしながら黙々と
これも焼いたらいいんじゃないか?あれ!いがいといける。
りんごの木を観察しながらモグモグと。
気持ちと行動が一致しませんがゆる~くスタートしております。
それにしても今年は雪が少なく暖かい。
近年気候変動の話が色々なところで聞きますが、農業をしていると肌で感じることができます。
ここ西山も標高が800mあるおかげでなんとかりんごの栽培ができますがそれもあと何年できるか
モグモグタイムに話しています。
1月1日に起きた震災。それに伴う2次災害。
今年はとても悲しい出来事からのスタートとなってしまいました。
前回のブログにも書きましたが 最近感受性が強くなってしまったため
報道される内容にただただ涙が流れてしまいます。
当たり前がある幸せ。
1日1日を丁寧に。
それが今年の目標です。
やりたいこととやれることを区別して今年、今日やれることを丁寧にやっていきます。
毎日、毎日+1
+2、+3ではなく+1コツコツ積み上げる。
45歳にしてようやくスタートラインにたてました。
今年はどんなりんごができるのか?
楽しみながら、苦しもうと思います。
それと 販売会行います。
お知らせえおみてもらえると嬉しいです。
今年もよろしくお願いします。
松川町のりんご農園”あっぷるハウス宮下”の業務日誌
2023年12月31日「プルートゥ」
少しずつブログ再開です。
夜中に書いたラブレターのような情緒不安定なブログですがお楽しみください。
早いもので2023年も今日で終り。
皆様にとってどんな1年でしたか?
あっぷるハウス宮下にとっては12/24日の類農園さんの販売会をもちまして仕事を納めることができました。
つがるの収穫が8月の下旬、そこから約4ヶ月休むこともできずひたすらりんごと向き合う時間が続き
「来年はいっぱいりんごの木を切って楽にしてやるぅ~!!」
と思っていたのに
「もう少し丁寧に剪定してもう1年収穫してみようかな」
とか
「今年はここが駄目だったからもう少しこうしてみよう」
など もう来年に向けて畑でブツブツ言っています。
個人的に大きな環境の変化もあり、たくさんのお客様の励まし、応援に支えられた1年でした。
12月のりんごの配達時に 息子にってお土産を用意してくれたり
大きくなった?可愛いでしょ?おめでとう。
て声をかけてくれたり
息子の誕生を報告すると涙をながしてくれたり
胸の奥がじ~んと熱くなることばっかりで ほんと感謝。ありがとうございました。
贈り物では毎年りんごの箱の中にお手紙をいれさせていただくのですが
たくさんの反響をいただけて背中をおしてもらうことができました。
毎年手紙をいれるべきか、いれないべきか悩むのですが
「りんご美味しかったし、手紙も感動した。」
「毎年この手紙を楽しみにしている。」
そんなお声をいただけて。
12月は疲れがたまるピークなんですが心を温めてくれることが多くて。
毎年異常気象にふりまわされりんご栽培も綱渡り状態です。
今年も最後まで渡りきることができたのは皆様の応援のおかげです。
今まで心というものを理解できてなかった自分も少しずつ
コノムネノアツイモノハナンデスカ?
と感じることが多くなり
この歳にして人としてようやく成長している気がします。
息子が生まれてすぐに繁忙期になりなかなか一緒に時を過ごすことができなかったので
これから人の気配が全くなくなった西山で寄り添いながら2024年をスタートしようと思っています。
りんご農園として沢山の方の人生に関わらせていただいて
悲しい別れがあった方、嬉しい出会いがあった方、深い悲しみから進み出した方、まだまだ悲しみから立ち直れない方
1人1人にずっと寄り添うことはできませんが
これからもその年、その年の精一杯のりんごを届けれるようにまた来年も頑張ります。
2024年も皆様にとっていい1年になりますように。
1日、1日を丁寧に。大切な人とすごしてくださいね。
今年もありがとうございました。
松川町のりんご農園”あっぷるハウス宮下”の業務日誌
2023年11月24日「ディズニーランド」
2023年りんご狩り終了。
最近ブログを更新できなかった理由。まぁ忙しかったというのもありますが正直今の世の中に絶望していたというのもあります。
人に優しくない、思いやりの感じられない空気。ただただ自己承認欲求のSNS。何か間違ったことを言ったり、やったりすると正論というハンマーでの集中殴打。
発信する事への危険性ばかりがましていてブログを書いている途中で削除することばかりでした。
はじめからおもーーい話ですいません。
正直少し人間不信になっていたのかもしれません。
ただりんご狩りがスタートすると
皆さんの笑顔に助けられました。
就農して5回目のりんご狩り。
ウチに来てくれるお客様はリピーターのお客様がほとんどで平均しても10年以上のお付き合いの方ばかりです。
だからどうしても今までは先代の代わりでしかなかった自分が
今年は僕に会いに来てくれる方も沢山いて
子供の誕生に涙を流してくれる方。
1年に1.2回しか会えないのにお祝いをサプライズでくれたり
久しぶりに感動して人前で泣いちゃったり
ようやくあっぷるハウス宮下に居場所ができた。
5年かかりました。
りんご狩りが始まる前は来てくれる方の心を動かせる対応をしよう。
西山の 見た目はいかついけど ミッキーマウスになろうと思っていたのに
終ってみればただただ皆さんに心を動かしてもらったいかついおじさんでした。
ブログ読んでるよって声をかけてもらったり、
好きなこと発信すればいいんだよって背中押してもらえたり
少しだけブログ続けようと思いました。
正直いつまでりんご狩りを続けられるかわかりませんが大切な方々が来れなくなる日まで頑張りたいなと。
今年もらった感動を恩返しできるまで頑張りたいなと思っております。
りんご狩りに来てくれたたくさんのお子さんの成長を西山のミッキーマウスとして見届けないと。
そして
今年もみんなを優しく見守ってくれてありがと。
夜中のラブレターは翌朝見返すと気持ち悪いといいますが
ただいま朝方4時半。
気持悪いブログになってないといいのですが。
でもそれくらい感動したりんご狩りでした。
あとは収穫、発送、配達、販売会。
2023年もあと少し。
全力で走りきります!!