松川町のりんご農園”あっぷるハウス宮下”の業務日誌
2022年4月25日「ロードオブザりんご 第二章」
標高800mのここ西山のりんごの花も咲き始め、いよいよ今日からチームあっぷる始動です。
今日から何をするかというと
一輪摘花という作業です。
そう、字のごとく無数に咲いた花びらを中心の一輪を残して全部摘んでいきます。
この花びらを
こんなふうに。
どれくらいやるかって?
これ全部・・・・。
どうやってやるかって?
人力です・・・・・。
諸行無常のはじまりです。
これからの3ヶ月間はひたすら心を無にして手を動かします。
たくさんの花びらを落とすので
ぐりも花びらをブルブルとはらっています。
昨年はこの時期に寒波が来て中心花がやられてしまったのですが
今年はとてもいい中心花がたくさんあります。
まだまだスタートしたばかりなので気が早いのですが
今年のりんごは期待ができそうです。
この花が実になるなんてまだ信じられませんがここからはあっという間に時間が過ぎていきます。
早くりんごを食べたいし、皆さんに食べてもらいたいなぁ と
なかなか心を無にできない自分であります。
松川町のりんご農園”あっぷるハウス宮下”の業務日誌
2022年4月19日「 一歩前へ 」
ここ西山もりんごの花が今にも咲きそうです。
こちらは「王林」の花です。
もう少しで満開になりそうです。
こちらは「ふじ」のつぼみです。
りんごの花が咲くと畑は白い花でいっぱいになります。
白い花が咲くとりんご農家はしばらくの間大忙しになるんです。
花が咲いてから7月いっぱいまでは雨の日も風の日も作業が続きます。
「そろそろ覚悟はできたか?」と
畑に行くとりんごの木に脅される毎日です。
昨年はこの時期には花がほぼ満開でそのあと凍るような寒気がはいり
花が寒気にやられるという被害にあいました。
今年は去年のことを教訓にして少しでも被害を少なくしようと
畑の草を刈っています。
そうすると地表の温度が上がって霜の被害も若干少なくなるんです。
ここから収穫までの長い期間、ほんとに気候との戦いです。
秋にはどんな景色がひろがっているか?
残り少なくなったりんごを食べながら1人妄想中です。
松川町のりんご農園”あっぷるハウス宮下”の業務日誌 ちょっと寄り道。
2022年4月8日「あんちゃ」
弟が僕を呼ぶときはいつも「あんちゃ」でした。
40年近く呼ばれ続けて、もう呼ばれることはなくなってしまいました。
2人兄弟だったのに、突然1人子になっちゃって。
心にぽっかり穴が空いてしまって必死に日常を取り戻そうとしているのですが
おしよせる悲しみと、はげしい動悸。
日常を過ごすことがこんなにむずかしいものなのかと
ただただ日々が過ぎ去ってくれるのをじっと待っています。
でもそんな感情なんて関係なく季節はゆっくり確実に進んでいて
ほら、今年もはじまるぞ と
りんごの木も冬の眠りから覚めて背中を押してくれている気がします。
時間をかけてゆっくりと
以前より太く強くしなやかに 立ち直りたい。
書くことを悩みましたが、これもあっぷるハウス宮下の出来事として記録として残したいと思いました。
今年のりんごが終ったときはどんな思いで立っていられるか。
がんばれ 少し未来の自分。
弟と過ごした40年に感謝。
きっと同じくらい過ごさなければいけない弟のいなくなった世界。
声と顔をだんだん忘れていく事への恐怖。
でもこれからも「あんちゃ」としてもう少しがんばるよ。
今の自分から少し未来の自分への期待です。
今日は弟の誕生日。
一緒に年を重ねることはできなくなってしまったけど
生まれてきてくれてありがとう。
「あんちゃ」にしてくれてありがとう。
松川街のりんご農家”あっぷるハウス宮下”の業務日誌
2022年2月24日「ころんだ」
ぐりのMRI検査から一週間
しばらくは辛そうでしたが最近は
デスクワークをしているときも
着替えをしているときも
寝起きに新聞を読んでいるときも
テレビを見ているときも
お昼寝しているときも
そばから離れません。
畑に行くと
家の中からじっと見ているようで・・・。
最近はぐりとだるまさんがころんだ状態です。
松川町のりんご農園”あっぷるハウス宮下”の業務日誌
2022年2月15日「枯れ木に花を」
昨年の末ぐらいから調子が悪いぐり。
毎日ではないのですが、たまに体を動かすことができない症状がでることがあって
最悪の可能性を潰す意味でもMRIをとることになりました。
ただ ここ長野県南部にはとれるところがないため
愛知県犬山市の病院まで行きました。
農家になってから同僚はいないし、365日丸1日いつも一緒にいてくれる存在なので
言葉を交わすわけではないのですが不思議とたくさん会話している感じがあります。
作業がいやで落ち込んでるときも、ビール飲んで酔っ払っているときもいつも隣で寄り添ってくれている同僚であり、家族である大切な看板犬です。
周りからは甘やかしすぎだと言われますが
ぐりにはたくさん助けてもらっているので出来る限りのことはしてあげたいんです。
診察待ちで何かを感じているのかとても不安な様子。
全身麻酔なので一応最悪なケースもありますという説明をうけてひとまずぐりをあずけて
連絡があるまで近くで待機をすることに。
でもせっかく犬山市に来たんだから色々観光でもしよう
と思ったのですが
心配で心配で 結局駐車場で5時間待つことに・・・。
待っている間もたくさんの方がそれぞれのわんちゃんを大事に抱えたり、
元気に歩いていたり、かけがえのない時間を一緒に生きてるんだなぁと思うと微笑ましくなりました。
そして我が家のぐりも
不安の中 頑張ってくれました。
終って姿が見えたときはよじ登るくらい抱きついてきて それぐらい不安だったみたい。
検査結果も今の所大きな病気はなく、突発的におきるてんかんではないかとのこと。
しばらく様子見が続きそうです。
ただ全身麻酔で喉に管が入っていたせいか
とても苦しそうに嘔吐いています。
今日も一日じっとしています。
まぁ今日は雪が降っているのでそばにいてあげようと思います。
ひとまず重病の可能性は消えて一安心です。・・・が
カード払いの治療費の引き落とし日が次の悩みのタネです。
ここほれワンワンで何か掘ってくれないでしょうかね。
引き落とし日まで今日も絶賛”花咲かじいさん読み聞かせ中”です!!